「生徒会文化委員長からの訴え」
「1月末に2年生が西院中として初の長崎に修学旅行に行きました。今では原爆投下当時の跡かたもなく、発展した街並みでした。しかし、原爆資料館では大やけどの重症者の写真や、影だけがシャッターに焼け写っていたりするところを目の当たりにして、原爆の威力、恐ろしさを感じることができました。語り部さんには、中国や韓国の人たちも長崎にたくさんおられて、そのまま原爆で亡くなったことを聞きました。西院中では韓国の中学校と姉妹校になって12年も交流を続けていますが、戦争は人々の心をも引き裂いてしまうものなのだと学びました。
僕たちは戦争体験がないですが、この機会にのちの世代に戦争はしてはいけないし、何の解決にもならないことを伝えていきたいです。」
文化委員会では、この委員長の訴えを受けて、毎年作り替えている体育館のステンドグラスのテーマを今年は「長崎から平和を」に決定しました。
文化委員で相談し原画を作成します。体育館の窓全体を使う巨大な絵画です。
ステンド風に書きなおし、生活班の6人で2枚ずつ分担して黒の厚紙を切り抜き、折り紙を裏から貼って、窓の光で絵が浮き上がるようにします。空全体に虹がかかる中、平和を知らせるハトと希望を持ってあきらめない広島の禎子さんの折り鶴を左右に飛ばしました。時計は原爆投下の11時2分を指して修学旅行のテーマ「Newキャンバス 過去と未来の風景を」を表し、南蛮船は鎖国の中でも外国と交流していた長崎と韓国と長年交流している西院中学校を重ねました。教会の鐘が復活し、みんなに希望を与えました。明るい太陽の中で平和の象徴の鳩がアネモネの花を運んできました。ピカソが「ゲルニカ」の絵の中で倒れた兵士の折れた剣の横に咲かせた花が、血の中から復活する「希望の花」アネモネです。
この平和への願いはこれから一年間体育館の窓一面に光のページェントを展開します。4月に入学する新入生や夜に体育館を使って活動される西院地域の方や部活動の試合で訪れた他校の生徒にも見てもらうことになります。