2013.03
東京都文京区駕籠町小学校4年生によるキッズゲルニカの作品が完成しました。私達は東京都文京区立駕籠町小学校4年1組(31名)です。2分の1成人式を迎えるにあたりキッズゲルニカに取り組みました。
制作の過程で、平和とは何かを追求し、協力することの難しさや楽しさを学んでいきました。話合いをし「平和とは人が心から笑えるようになること」と全員で考え活動を進めました。そして「自分や友達、世界の人が笑顔になりますように」という願いを込めてキッズゲルニカを描きました。
キャンバスの下地の青色は、「苦しみ」や「戦争」を表します。一方レモン色は「希望」や「平和」を表しています。苦しみが少しずつ平和に向かっていく様子を描きました。雲の上には、グループで協力しながら平和のイメージを表しました。地球と虹の間には、子供たちや花や動物たちが仲良くならび温かさを感じます。また飛ぶ鳥や空を駆ける馬からは、楽しさとともに苦難を乗り越えるような力強さが伝わると思います。
この絵を完成させるにあたっては、代表児童による実行委員会は作らず、考えたり発言したり描いたり、常に31人全員に同じチャンスがあるように工夫しました。どの児童からも表現したいという一人一人の強い気持ちが伝わってきたからです。そのような中で、自分の表現を大切にしながら他の人と協力して一つのものをつくり出す喜びを味わってほしいと考えました。
何度も行った話合いでは色や描く事柄、構図について様々な意見が出ました。決める時には、異なる意見や少数意見にも最後まで耳を傾け十分に意見が出し尽くされてから多数決を行いました。このような子供たちの話合いの姿や、楽しそうに肩を寄せ合ってキャンバスに向かう姿そのものが、平和につながるものだと嬉しく思いました。
完成にあたっては具体的には以下のように活動を進めました。
○ 「キッズゲルニカ」の活動を知るためのワークショップを行う。
○ 全員がB5の用紙に一枚ずつ平和を表す絵をかく。
○ キャンバスの下地の色を決めるための話合いをする。
○ キャンバスの下地の色を塗る。
○ これから描く「キッズゲルニカ」の大まかなイメージを話合い、共通理解する。
○ 表したい平和のイメージごとに、グループづくりをする。
○ グループごとに話合いアイデアスケッチをする。
○ グループごとにキャンバスの雲の上に平和の絵をかく。
○ 地球と虹について、かく場所と色を話し合う。
○ 地球と虹をかき、色を塗る。
○ 虹の上に子供や動物や植物をかくための話合いとアイデアスケッチをする。
○ 虹の上に子供や動物や植物をかく。
○ 白い雲と雲の中の花畑をかき仕上げをする。
○ 作品の鑑賞と2分の1成人式の文集のまとめをする。
この絵を完成させた子供たちは、これから難しいことに直面しても「キッズゲルニカ」の絵に込めた思いのように、それを乗り越えて希望に向かうことができると信じ、前に進むことができると考えています。また平和を願い行動する力をこの絵をかいた経験から育んでいくことを期待しています。
活動にあたり協力してくださった多くの皆様、どうも有難うございました。
活動期間:平成25年1月下旬~3月
活動場所:駕籠町小学校図工室 4年1組教室
参加した児童:駕籠町小学校 平成24年度4年生(31名)
指導者:田中 正代(4年生担任)吉岡 弥生(図工専科)
主催団体名:文京区立駕籠町小学校